基地局はそれぞれ区別するために、固有の識別符号が使用されている。各通信キャリアごとに附番の規則性がある。調査した結果を以下にまとめる。ただし一個人で確認した範囲なので憶測が多分に含まれていることに注意。
4G LTE
ECI(E-UTRAN Cell Identifier)はLTEで使用される識別符号で28bitで表現される。そのうち先頭20bitがeNodeB ID、のこり8bitがCell IDとなっている。本記事においてはこれらをそれぞれeNB、LCID(Logical Cell ID)と呼ぶことにする。表記方法としてはハイフン区切りでeNB-LCIDとする(例:123456-7)
docomo
eNBは旧地域会社に対応して分けられている。eNBを下4桁と上2桁に分けたとき、上2桁をプレフィックスとする。このとき規則性は以下。
| 地域ブロック | 旧地域会社 | eNB |
|---|---|---|
| 関東・甲信越 | ドコモ中央 | 13~19 |
| 東海 | ドコモ東海 | 26~32 |
| 北陸 | ドコモ北陸 | 33~38 |
| 関西 | ドコモ関西 | 39~45 |
| 中国 | ドコモ中国 | 46~51 |
| 四国 | ドコモ四国 | 52~58 |
| 九州・沖縄 | ドコモ九州 | 59~64 |
| 東北 | ドコモ東北 | 65~71 |
| 北海道 | ドコモ北海道 | 72~77 |
ドコモは光張出し基地局がほとんどで、eNBと物理的な基地局が1対1対応せず、複数の局が収容されている。また同一基地局でも収容が異なるのかeNBが別になることもあり、その点においてはまったく規則性がない。
LCIDについては一定の法則性がある。ただし局ごとに割り当てが異なるためあくまで参考程度である。LCID 8bitのうち上位4bitが周波数、下位4bitがセクタを表している。
| LCID | 周波数帯 |
|---|---|
| 0~15 | 2GHz or 800MHz |
| 16~31 | 800MHz or 2GHz |
| 32~47 | 700MHz? |
| 48~63 | ? |
| 64~79 | 1.7GHz or 1.5GHz |
| 80~95 | 1.5GHz or 1.7GHz |
| 96~111 | ? |
| 112~127 | ? |
例えば327321-0であればドコモ東海の2GHzもしくは800MHzであると推定される。(実際は三重県津市の800MHzのセル)
SoftBank
eNBはFDD帯とTDD帯で規則が異なる。eNBを下4桁と上2桁に分けたとき、上2桁をプレフィックスとする。このとき規則性は以下。
FDD帯eNB
FDD帯はおおむね旧地域会社ごとにプレフィックスがことなり、その中でもD-RAN構成かC-RAN構成かで割り当てが異なる。地域ブロックごとの割り当ては厳密だが、D-RANかC-RANかはおおまかの傾向であり、見分けるには後述のLCIDを確認するのが確実。
| 地域ブロック | 旧地域会社 | D-RAN構成 | C-RAN構成 |
|---|---|---|---|
| 関東・甲信越 | 東京デジタルホン | 03~08 | 09~11 |
| 東海 | 東海デジタルホン | 13, 14 | 15, 16 |
| 関西 | 関西デジタルホン | 20~22 | 19,24 |
| 北海道 | デジタルツーカー北海道 | 26, 27前半 | 27後半 |
| 東北 | デジタルツーカー東北 | 29~32 | ? |
| 北陸 | デジタルツーカー北陸 | 34~35 | ? |
| 中国 | デジタルツーカー中国 | 37~39 | 40 |
| 四国 | デジタルツーカー四国 | 41~43 | ? |
| 九州・沖縄 | デジタルツーカー九州 | 44~47 | 48, 49 |
TDD帯eNB
プレフィックスは都道府県コード+52となっている。例えば三重県は都道府県コードが24なので、プレフィックスは76となり、eNBは76xxxxになる。
AXGPはほとんどの基地局がHuaweiもしくはZTEの無線装置を使っているので、都道府県コードの規則に従うが、Ericssonの無線装置を使っている場合はFDD帯eNBの規則に従う。
LCID
D-RAN構成の場合はLCIDに規則性があり、周波数の頭文字をとったものになっている。
| 周波数帯 | LCID |
|---|---|
| 700MHz | -71,-72,-73 |
| 900MHz | -91,-92,-93 |
| 1.5GHz | -151,-152,-153 |
| 1.7GHz | -191,-192,-193 |
| 2.1GHz | -1,-2,-3 or -211,-212,-213 |
C-RAN構成の場合は上記の規則性が適用されず、LCIDが1始まりになる。通常の基地局は多くても3セクタ構成のため、LCIDが4以上になった場合はC-RAN構成であると推定される。またBand1以外かつLCIDが1始まりの場合も、C-RAN構成である。都心部ではFDD帯においてもC-RAN構成が主流だが、地方はD-RAN構成がメインである。
2.5GHzおよび3.5GHzはほとんどがC-RAN構成である。
KDDI
KDDIとUQで規則が異なる。eNBを下4桁と上2桁に分けたとき、上2桁をプレフィックスとする。このとき規則性は以下。
KDDI
おおむね北海道から沖縄に向かって北からeNBが振られている。
| 地域ブロック | eNB |
|---|---|
| 北海道 | 00, 01 |
| 東北 | 06, 07, 08 |
| 関東+新潟・山梨 | 13, 14, 15, 66, 67, 78, 79, 80 |
| 北陸 | 19, 20 |
| 東海+長野 | 26, 27, 28 |
| 関西 | 33, 34, 35, 72 |
| 中国 | 39, 40 |
| 四国 | 45, 46, 47 |
| 九州 | 52, 53, 54 |
| 沖縄 | 58, 59 |
UQ
KDDIとは別枠となっており、プレフィックスが98以降はすべてWiMAXである。初期の98xxxxはすべて東京都であるが、その後は大まかに都道府県ごとに固まっているように見えるが規則性はない。
98は中途半端に思えるがeNBを16進数でとらえると0xF0000が983,040になることからeNBの上位4ビットが1111になるエリアがWiMAXと考えることができる。
5G NR
NCI(NR Cell Identifier)はNRで使用される識別符号で36bitで表現される。これらはgNodeB IDとCell IDに分けられるが、LTEと異なりgNodeB IDは22~32bitの可変長となっている。ただし国内4キャリアについてはgNodeB 24bit + Cell ID 12bitで運用していると考えられる。本記事においてはこれらをそれぞれgNB、LCID(Logical Cell ID)と呼ぶことにする。
実在するNCIを16進数で表記したものが以下である。
| PLMN | キャリア | NCI | gNB | LCID |
|---|---|---|---|---|
| 440-10 | docomo | 0x43f8ac010 | 0x43f8ac(4454572) | 0x010(16) |
| 440-20 | Softbank | 0x065684001 | 0x065684 | 0x001(1) |
| 440-54 | KDDI | 0x48398C000 | 0x48398C | 0x000(0) |
| 440-11 | Rakuten | ? | ? | ? |
ドコモの場合はLCID下位4bitが0000になることから、何かしらの予約領域として使われていると考えられる。
LTE同様に規則性があると考えられるが、現状電測データが少ないため詳細は調査中である。

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