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2025年なにわ淀川花火大会 移動基地局車レポート

 2025年10月18日になにわ淀川花火大会が開催されました。関西きっての大型イベントで移動基地局車も多く出動するため、現地で配備状況を調査してきました。

移動基地局車配置図

 3エリアに分かれて、各エリアごとに移動基地局車が固まって配置されています。記事内では便宜上「塚本エリア」「十三エリア」「西中島エリア」と表記します。

地図は地理院地図をベースに筆者で加工

移動基地局車詳細

ドコモ

西中島エリア

移動基地局車 京都800 せ4669
電源車 なにわ800 せ2496

 EricssonのMassiveMIMO対応装置AIR3268(MMU)を2台搭載した車両。2024年のなにわ淀川花火大会やPokémon GO Fest 2025大阪でも確認されており、車内にはEricssonのBaseband 6648を搭載するなど高トラヒックを支えるグローバルベンダー機器が詰め込まれている。
 回線は無線エントランスでNECのiPASOLINKを使用し、対向局はNTT西日本 淀川ビル屋上に設置されている。

京都800 せ4669
NTT西日本 淀川ビル

十三エリア

移動基地局車 和歌山800 す・・19
電源車 和歌山800 さ9098

 キャラバンタイプの移動基地局車。既設局で対策しているためか装備は控えめ。

和歌山800 す・・19

塚本エリア

車番不明

 西中島エリアの車両同様にEricssonのAIR3268を運用可能な移動基地局車が配備されていた。車両とは別に可搬基地局も設置されており、おそらく3.5GHz等を運用しているものと思われる。

au

十三エリア

とちぎ800 さ9843

 SamsungのSub6帯2周波数対応無線装置「Dual Band Massigve MIMO Unit(DB-MMU)」を搭載した車両。DB-MMU自体は大阪関西万博で初商用導入1され、可搬局としては2025年天神祭で初導入2された。移動基地局車としてはROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025で確認されて以来2例目と思われる。
 回線は無線エントランスでCeragonのIP-50Eを使用、対向局は大阪市北区大淀北1丁目のビル局に設置されている。

とちぎ800 さ9843

塚本エリア

車番不明

 十三エリアの車両と同様にDB-MMUおよびマルチバンドアンテナを搭載した基地局車を運用。無線エントランスの対向局も同じ。

ソフトバンク

十三エリア

京都800 せ1887

 Sub6帯の運用も可能な基地局車。回線は無線エントランスでSikluのEH-8010FXを使用。
 無線エントランスに加えてStarlinkが設置されており、おそらくSoftbank Wi-Fi向けに回線が提供されているものと思われる。

京都800 せ1887

楽天モバイル

十三エリア

市川800 さ・331

 楽天モバイルが所有する5Gを運用可能な車両の一つ。車体側面には楽天モバイルのロゴが描かれているが、他社と異なりカバーがかけられており、何らかの理由でロゴを隠したい意図があると思われる。

対策ビル局

 移動基地局車ではないが、ドコモは淀川右岸沿いビル基地局で対策を強化している。
 2024年以降で少なくとも2局の新設と1局の増設が確認できた。新設局ではマルチバンドアンテナとEricsson MMUの構成を基本とし、淀川河川敷を狙って設置されている。すでに基地局が設置されていた淀川ビルの鉄塔にはMMUが増設されトラヒック対策がかなり重点的に行われていたことがわかる。
 対策のおかげかドコモの5G SA契約者は問題なく通信できたとの投稿もあり、対策に効果があったと思われる。

  1. https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-545_3826.html ↩︎
  2. https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-666_4030.html ↩︎

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