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5Gを支える東芝インフラシステムズ ARTシリーズDASを観察する

 5Gにおいては4Gに比べて高い周波数帯を用いることができるため、高速・大容量の通信が可能となる。特に駅や大型商業施設や地下街といった場所においては、キャパシティの確保のために5Gエリアの整備が急務となっている。通常ビル等の屋内対策は各通信事業者個別で行われてきたが、設置場所確保の困難さや費用削減のためインフラシェアリングDAS(Distributed Antenna System)が用いられることが多くなってきている。

 DASは基地局のRF信号を光変換しケーブルで各子機に分配することでエリアを構築するシステムのことである。イメージは次の通り。

 このDASに用いられる装置のうち、日本の5Gにおいては東芝インフラシステムズのARTシリーズが用いられており、周波数帯域に応じて4機種がラインナップされている。1

・割当が先行した3.4-3.6GHzをカバーするART3501
・3.7GHz帯と呼ばれる3.6-4.0GHzをカバーするART3701
・4.0-5.0GHzを幅広くカバーするART4501
・ローカル5G帯域(4.6-4.9GHz)にしぼったART4701

 実際に設置されているDASの子機(RU)を紹介する。

ART3501
ART3702

 JR東日本主導のインフラシェアリング事業2で設置されたもの。山手線ホームを中心に主要駅で設置が確認されている。

ART3711

 ART3702同様にJR東日本の駅で確認された機種(写真は新橋駅)。ART3702と比べると筐体に厚みがある。

CRF-3701

 JMCIA(移動通信基盤整備協会)のDAS装置はCRFと呼ばれているが、ART3711とほぼ同等のものと想定される。

CRF-4501

 ART4501系のDAS。CRF-3701と比べるとカバーする帯域幅が多いためか筐体に厚みがある。

 東芝インフラシステムズのCRFシリーズの設置が確認できたのは小田急新宿駅地上ホームである。今後屋内シェアリングや駅等で設置と活用が期待されている。

  1. https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/jp/technology/corporate/review/2024/06/a02.pdf ↩︎
  2. https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230606_ho02.pdf ↩︎

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